パニック障害

 この疾患は特定の状況に限定されず、たとえば家でのんびりとテレビをみているときでも、突然に強い不安・恐怖症状(パニック症状)が起こることを特徴とします。その発症があまりにも突然で深刻なレベルなため、「窒息して死ぬんではないか」と本人がパニック状態になり、しばしば救急搬送されることもあります。しかし、実際は病院到着時には症状が治まっていることがほとんどです。このような発作が1か月に何度も起きるようであれば、パニック障害を患っている可能性があります。

 一方、もし、不安・恐怖症状やパニック発作が特定の状況でだけ現れるときは、特異的恐怖症 Specific phobiasと呼ばれます。たとえば、高所、暗闇、閉所、満員電車、人前での食事などで症状が出現します。

 治療は薬物療法(抗うつ薬、安定剤など)と精神療法(認知行動療法など)の併用により行われることが多いです。